Studio 2017:「脱色する空間」  
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Escape of space


菱田 吾朗


一時の逃避行のように

絵画から主題や事物を切り離し、形態・色彩・構成をそれぞれ分離させたマレーヴィチ。彼は色を現実から切り離し一度脱色することで、現実の色に改めて意味を持たせた。シュプレマティズムの文脈における「脱色する」とは「ある要素を現実の意味から分離し、取り出すことでその要素同士をつないでいた関係性を一旦解き、新たな創造としてつなぎ直すこと」なのではと考えた。 そんな考えのもと、この建築は、現実の世界から切り取られた地面への、夢の中の砂漠への、一時の逃避行である。 常にありふれている空間のスケールを元にしたボリュームを回転させ組み合わせることによって、既定の建築空間の関係性を一旦脱し、新たに作り上げる。地下から湧き上がったボリュームと空から降りてきたヴォイドが地中で出会うそんな連想をさせる8つの空間は新たな脱色の空間となる。そこには人々が寄り添うための水平面だけがささやかに挿入され、脱色へと誘う。 名もない場所で、軽やかに遊び、時には喧嘩をし、空を見上げ、静かに座り込む空間を夢想した。